「静物画」カテゴリーアーカイブ

制作ブログ 窓辺

今回は窓枠に置いた青い花(名称不明)を描きます。
窓ガラスの光、窓枠に当たった反射光、部屋側の壁の光等に着目して絵を進めていきます。

題目の絵の話の前に少し青色の絵具について触れます。
富士山の絵2点ですが、この絵の空はバチターブルー、

この絵の空はコバルトブルーで表現しています。
両方の絵具ともにパレット上では鮮やかな色なのですが、紙面の上ではくすんだ色となってしまします。

そこで代表的な青系の絵具を紙に塗った場合どんな具合になるか試してみました。
上から
コバルトブルー
ウルトラマリンライト
セルリアンブルー
バチターブルー
マンガニーズブルーノーバ
の5色です。
コバルトブルーはやはり少しくすんでいて空の青さを表現するにはもう一つ物足りない。ウルトラマリンは結構鮮やかな発色だけれど空の青さには場面を選ぶ色かなと思う。セルリアンブルーはこのコピーでは明るく見えるが実際は少しくすんでいるし、グラニュレーションが起きやすい。バチターブルーはホワイトが入っていて明るくなるかと思いきや実際に塗ってみるとそれほどでもない。
最後のマンガニーズブルーノーバはパレット上ではあまり目立たないが、こうして紙に塗ってみると意外に明るい。

そこで今回はマンガニーズブルーノーバを青のメインに描くことにしました。
まず窓ガラスにはマンガニーズブルーノーバ・リーフグルーン・サップグリーン。
窓枠はマンガニーズブルーノーバ単色で。
内側の壁はハルモニアのキャッスルグリーンとファントムミストを試しに使ってみました。

次に窓枠にバーントアンバーで茶色味を追加、壁にはマンガニーズブルーノーバをグレージングして青みを整えます。

花の周りの様子が整ったところで花と花器を描き込みます。
ここも花はマンガニーズブルーノーバをメインに着彩します。結構明るい青が表現できます。特にウルトラマリンと混色すると鮮やかな青が出てくるように思います。
花器はいつものようにコントラストをはっきりさせて光を表現します。

2025/8 「窓辺」 F6

制作ブログ ガラス浮き

今回の絵画教室でのモチーフはガラス浮きです。
50年前まだ学生だった頃旅行先の利尻島で見かけたガラス浮きが忘れられず、小ぶりのものですがメルカリで購入しました。
昔の漁ではプラスチックや発泡スチロールの浮きはありませんでしたので、網を仕掛けるための浮きは皆ガラス製でした。

デッサンはしっかり描かないとガラス浮きのフォルムが崩れてしまうので、表面を覆う網をメインに正確に描いていきます。

主役を引立たせるよう、背景を着色します。
全体を青色のイメージで色を置いてみました。

だいたいの構成を描いたところです。
8月でしたが添えられた花がコスモスでしたので、ピンクと青色の対比を強調しながら全体をまとめました。

ここで途中の絵をコピーして全体を青色で纏めた場合と、いろんな色でカラフルにした場合をシュミレーションしてみました。
左側は青色で纏めた場合。右側はカラフルに仕上げた場合です。
カラフルにした場合も捨てがたいものがありますが、今回はブルートーンで行くことにします。

この作品はすべてを明確に描かずにガラス浮き左上部をメインに描き起こして周りはあいまいにしてみました。
そこで一部に視野を限った状態を表して、タイトルは「焦点」としました。

2024/8 「焦点」 F8