「風景画」カテゴリーアーカイブ

制作ブログ 浮見堂

奈良公園脇の浮見堂です。
池の水が管理の為抜かれていて一部池の底が見えていました。
宿の朝食前に散策に出かけた途中の一枚です。
この朝の静けさを感じさせる様子を描きたいと思います。
浮見堂の中にはほんのり照明が光っていました。

今回は縦長の構図としたいので、用紙はM10号サイズを用います。
配置は浮見堂をやや中央上部に配し池の面を大きくとっています。
空、遠くの山並み、手前の樹々、水面等に色を置きます。

樹々の緑を入れた状態ですが、朝の景色としては緑の色が強すぎると感じられたので、一度洗い流すことにしました。

洗い流した状態がこれです。

さらに暗くするため、全体にグレーをかけます(グレージング)。
一番手前の岸は右下の角に見えていたのですが、池の広がりを遮るように感じられたので弱めていきます。
その後浮見堂、橋を描き込みます。浮見堂の屋根の角は一直線に水平がそろってないと傾いて見えるので気を付けます。
同様に水面に映る建物も中央の塔やひさしの位置が垂直実像と同じ位置にないと不自然に見えます。また、水面に映る屋根は裏側が見える状態となります。

手前の水面を描き込みます。割と面積の多い部分なのでしっかりと描いていきます。最初に触れたように水が抜かれて底が見えている状態なので、その土がポツポツと表面を出している様子を表現しました。また、全体の色のバランスを考慮して紫よりの色でまとめてみました。
タイトルは「朝の浮見堂」です。

2024/9 「朝の浮見堂」 M10

制作ブログ 安芸の宮島

安芸の宮島のライトアップされた大鳥居です。
ライトアップされた輝く鳥居の印象を絵にしたいとトライします。

まずは燃えるように輝く鳥居の存在感をイメージのままに描き起こします。
現地で受けた心の中のイメージはこんな感じでした。

背景をどうおいていくのが主役の鳥居を引立てるかシュミレーションしてみます。
先の絵をA4の画用紙にコピーしたものに彩色していきます。
左は暗い青系としたもの、右は少し紫系に傾けたものです。
いずれも上部に松の枝が被っています。

先のトライの結果、上部の松の枝は主役の印象を弱めるように感じましたので省くことにしました。
左の絵は燃えるような鳥居に合わせて背景も赤色系としたもの、中の絵は赤色系の色を鳥居の周りに抑えたもの、右の絵は青色系でまとめたものです。

結局、青色系の背景とすることとしました。
また、鳥居の上部はあまり濃い色を置かず上部への解放感を出すことにしました。
タイトルはそのまま「ライトアップ」です。

2024/9 「ライトアップ」 F4